WineVibe search Search language Language menu Menu
ワインのデキャンタ方法

このコラムを読む前に是非、「どんな時にデカンタをするべきなのでしょう?」を読んでおくことをお勧めします。

色々な方法でワインをデキャンタしているのを、貴方はご覧になったことがあるのではないでしょうか。恐らく、ワイン・デキャンタや、キャラフェに、ワインが丁寧に注がれている光景をご覧になったのでしょう。私が、「スラム・ダンク」方式と呼んでいる、ワインのデキャンタ方法にもお目にかかったこともあるかも知れません。この方式では、ワインのホスト役が、何の躊躇もなくボトルを真っ逆さまにして、ワイン・デキャンタに注ぎ込んでいきます。

さて、どのデキャンタ方法が優れているのでしょう:丁寧にワインを注いでいくのでしょうか、それともなんの躊躇もなくただ注ぎ込むのでしょうか?正解は、どちらも正しい方法ですが、全てのワインで同じという訳ではありません。ワインの種類によっては、丁寧なデキャンティングの方が良いものと、スラム・ダンク法によるデキャンタの方が良いものがあるのです。

ワインのデキャンティング・ツール

下記が、ベーシックなワインのデキャンティング・ツールです。:

デキャンティング・クレイドルを使うかどうかは貴方次第ですが、私はこれを強くお勧めします。デキャンティング・クレイドルなら、ワインの流れを安定に保つことができるので、ワインを注いでいく時に、沈殿物を撹乱させないで済みます。注いでいる間、沈殿物をかき乱してしまうと、ワイン・ボトルから注けるワインの量が少なくなってしまいます。貴方が、デキャンティング・クレイドルをお持ちでないなら、ファネルで代用しましょう。ファネルはガラス製の方が良いでしょう。

キャンドルか、何か後ろから光を照らせるバックライトも必要になります。これらがあれば、ワインをデキャンタに注ぐ時に、ボトルを透かせて見ることができます。デキャンティングをしている際、ワイン・ボトルの真下に、キャンドルを置いてはいけません。ボトルが焦げ付いて、いやな煙がでてきてしまいます。

ワイン・デキャンタに関するアドバイスを1つ:ワイン・デキャンタを購入する時は、ちゃんと機能し、しかも清掃しやすいものかどうかをチェックしましょう。本当に美しいワイン・デキャンタを、私はひとつ持っているのですが、清掃するのに途方もなく時間がかかるので、もう絶対に使いません。更に、このデキャンタを使うと、最後にグラス半分のワインが、無駄になってしまうというひどいデザインの代物です。

伝統的なワインのデキャンタ方法

年代物の上質のワインは、典型的に、その真価が判る時まで辛抱強く待っている間、長い年月をかけて沢山の沈殿物を醸しだすものです。年代物の上質のワインをデキャンティングするのなら、是非、下記の手順に従ってください。

  1. おもてなしする2日前に、ボトルを貯蔵庫から取り出して、垂直に立たせます。これによって、沈殿物をワイン・ボトルの底に、ちゃんと沈ませておくことができるのです。

  2. おもてなしの当日、ワイン・ボトルの底に既に沈んでいる沈殿物をかき乱さないように、丁寧にワイン・ボトルを開けます。

  3. ワインをデキャンティングする前に、ワイン・デキャンタが、清潔で、汚れた空気の匂いがしないように気をつけます。

  4. ワインとデキャンタが用意できたら、ワイン・ボトルを(もしお持ちであれば)ワイン・クレイドルに置いて、キャンドルを灯し、しっかりと持って、ワインをファネルや、ワイン・デキャンタに直接注ぎ始めます。沈殿物がワイン・ボトルの首に近づき過ぎるところまで、注ぐのをやめてはいけません。

  5. ワインをデキャンタで少し(30-60)休ませてから、おもてなしをします。

年代物のヴィンテージ・ワインのための私独自のデキャンタ方法

私は、伝統的なデキャンティング方法を、年代物のヴィンテージ・ワインに用いていますが、もう1週間早く始めておきたいのです。

  1. まず最初に、ワインセラーからワイン・ボトルを取り出してから2日間、ボトルを垂直に立てておきます。ワイン・ボトルがこの間、光にあたらないように気をつけます。

  2. 2日後にワイン・ボトルを開けて、デキャンティング・クレイドルに置き、キャンドルに火を灯して、デキャンタにワインを注ぎます。

  3. 私は、ワンボトルを洗い、もし開けたコルクが痛んでいる場合、新しいコルクを探しておき、小さなワイングラス一杯分を残し全部を、きれいになったボトルに、ファネルを使って注いで、エアゾールガス(私はプライベート・プリザーブを使っています)をスプレイしてから、再びコルクで栓をします。

  4. 数日後にブドウ酒を出す準備ができるまで、私は容器を垂直に立たせておきます。

なぜこのように複雑なデキャンティングのプロセスに従っているのでしょう?どうして、実際のおもてなしの数日前にワインをデキャンタしてボトルに戻しおくのでしょう?、これには、大きく2つの理由があります。:

まず一つは、このデキャンティング・プロセスによって、ワインが更に綺麗に透き通るからです。ワインをデキャンタに注いでいくプロセスで、より小さな沈殿物がかき乱されます。私のデキャンティング方法では、沈殿物に沈んでいく時間を与えてあげているのです。

二つ目は、このプロセスによって、私はワインを味わいことができますし、もしそうであれば欠陥を見つけることができるからです。友達全員に見事なワインのことをお話しておいて、そのワインをおもてなしする当日になって、それが欠陥品であったことが判ってしまうなんて、私には許せません。ワイン愛好家に特別なワインを試飲させる明確な目的でパーティーを開催するとしたらどうでしょうか。試飲の当日になって、貴方がおもてなししようとしていたワインが、ワインこそがワイン・ティスティング・パーティーの主目的にも関わらず、欠陥品だと判ってしまうのです。こんなケースでは、すぐにでも代替品を用意しなければなりませんし、代替品のワインを適切にデキャントするために必要な時間が十分にとれなくなっています。こういう過ちは、貴方のパーティーを完全に台無しにしていまいます。

年代物のヴィンテージ・ワインのための私独自のデキャタ方法は、確かに煩雑だということは認めますが、私がどれだけ真剣に上質なワインを愛しているかの裏返しなのです。

スラム・ダンク・デキャンティング方式

スラム・ダンク方式は、目に見える沈殿物がない若いワインに最適な方法です。この場合、デキャンティングは、主に、ワインに空気を馴染ませるために行われます。スラム・ダンク方式は、ワインを一度、殆どばらばらにしてしまうことで、ワインに呼吸をさせるのです。

タンニンを多く含み、まだ未熟で開いていない、若いワインをおもてなしする時に、私はこのデキャンティングのテクニックを使います。ワインをデキャンタに注いだ後、おもてなしするまで、少なくとも12時間は、じっとさせて置いておきます。

ノート:最近は、エアレーティング・ガジェット(ワインに空気を馴染ませる道具:ワイン・エアレータなど)をお求めになることもできます。ワインを開かせるために使うのです。これらのガジェットにはトリックがあって、ワインをデキャンタに一気に流し込むよりも早く効果がでます。

これで今回のワイン・デキャンティングのお話はおしまいです。この投稿で、貴方が何か新しいことを学ぶことでできて、次にワインをデキャンタして、おもてなしをする時に、今回お話したデキャンティング・テクニックが応用できるようになっていることを期待しています。

乾杯~!